ショパンのソナタ、舟歌、スケルツォなど
マルタ・アルゲリッチの弾くショパン「舟歌」
フレデリック・ショパンが作曲したソナタやスケルツォは本当にダンディ!
まるでJAZZのような哀愁と渋さを兼ね備えています。
そしてショパンの作曲人生の集大成ともいえる傑作「舟歌」や、協奏曲などを添えて名曲紹介を締めくくります♪
当ページでは、これまで紹介してきたジャンルに収まらなかった名曲をご紹介します。
まずはショパンのダンディな渋さを堪能できる、ソナタとスケルツォ。まるでジャズのようなカッコ良さと美しさを深く味わえますよ!
さらに晩年に発表した彼の集大成とも言える傑作中の傑作「舟歌」をご紹介♪
また、あまりにもマルタ・アルゲリッチの演奏が圧巻だったので、ショパンのオーケストラとピアノの協奏曲もご紹介しておきます。
その他、ピアノ協奏曲第3番とも呼べるような難解かつ天才的な傑作「演奏会用アレグロ」なども合わせてご紹介します。
[Piano Concerto(ピアノ協奏曲)]
・Op11
[Piano Sonata(ピアノソナタ)]
・Op35
・Op58
[Barcarolle(舟歌)]
・Op60
[演奏会用アレグロ (Allegro de concert)]
・Op46
[Scherzo(スケルツォ)]
・Op31
Piano Concerto (ピアノ協奏曲)
Op11
ピアノ協奏曲第1番です。1830年に完成した曲で、ドイツのピアニスト・作曲家フリードリヒ・カルクブレンナーに献呈されました。
全3章で構成されています。聴き所としては、なんといっても一番は、第1章の後半12分50秒頃から14分40秒くらいまでのところ。かっこ良すぎです!
あと、第2楽章は、本当に美しい旋律で、感動的ですらあります。21分50秒くらいからピアノパートはスタートします。25分くらいまでは少なくとも聞いてほしい。。
そして最後の第3章は、39分頃からラストにかけての上品で爽快でカッコいい壮大な終わり方が最高です!
Piano Sonata No.2(ピアノソナタ第2番)
Op35
ピアノソナタ第2番(葬送行進曲付き)です。1839年に完成した曲で、6分20秒あたりからの7分25秒までの旋律は本当に見事!ゾクッとするくらいカッコイイですよ!
4楽章で構成されている古典的なソナタ形式ではあるものの、ショパン独自の独創的な曲調が散りばめられているため、当時もシューマンらに取り上げられ話題を呼んだようです。
特筆すべきは、23分17秒あたりから始まる最後の楽章です。まるでジャズの即興のように、調性も明確にならないままランダムであるかのように、無表情に続き、終わります。ショパン自身は、この様子を「行進曲の後で両手がおしゃべりをする」と表現していたそうです。行進を見ていた列席者や見学者たちが、それぞれにおしゃべりをしながら散らばっていく様子を表現したんでしょうか?あなたなら、どう感じますか?
Piano Sonata No.3(ピアノソナタ第3番)
Op58
ピアノソナタ第3番。1844年にジョルジュサンドの家で完成され1845年に出版された曲です。
全4楽章で構成されている古典的なソナタ形式になぞっていながら、中身は新しく独創的な大人の曲という感じです♪
特に聞いてほしいのは、まるでJAZZでも聞いているかのうような堂々とした、それでいて憂いをおびてもいるような渋いカッコ良さにしびれちゃう20分55分頃から始まるラストの第4楽章です。特に曲の終わり方はショパンの男らしさを感じられる唯一無二の魔法を浴びることができますよ☆
Barcarolle(舟歌)
Op60
舟歌です。1846年に完成した曲です。
晩年に書かれた曲ということもあって、ショパンが自身の人生を自伝のように表現している曲だという人もいます。たしかに、そのくらい物語性のある構成になっています。
全体的に左手の伴奏が水面の波を表現しているかのようで、ゆったりとした気持ちになります。曲の難易度が高いことでも知られています。
壮大で威厳に満ちていて、かつどこか懐かしさを感じさせてくれるような温かい曲で、「人生は夢のごとく」そんな副題がつけられそうな美しさを持っていて、大好きな1曲です♪
Allegro de concert(演奏会用アレグロ)
Op46
演奏会用アレグロです。1941年に完成した曲で、ショパンの手紙に残っている名前を見ると、本来の曲名は「協奏曲のアレグロ」だったようです。非常に何度が高いとされ、人によってはショパンのピアノ協奏曲第3番と呼んでいる人もいるそうです。
もう、全てが見せ場とでも言えそうなくらい、魅力的な曲!壮大で、幻想的で、かつ美しく、優しく、そして華麗なのにどこか哀愁もただよってくる、そんな曲です♪特に、10分20秒からラストまでは聞いてほしいですね。私は初めて聞いた時、スゲー・・・スゴすぎる。。。と、思わず唖然としちゃいました(笑)
Scherzo(スケルツォ第2番)
Op31
スケルツォ第2番。1837年に完成・発表した曲で、ショパンのスケルツォの中でも特に有名な人気曲。
映画「楽聖ショパン」(1945)の中では、ジョルジュ・サンドの案で、ショパンがリストの代わりに暗闇の中でこの曲を演奏して名声を得るというシーンがありましたね♪
全体的に、優雅で壮大で、美しくて情熱的、それでいてどこか切なくなるという、なんとも魅力的な旋律の曲に仕上がっています。さすがショパン!!
ショパンその他の名曲
●ピアノと管弦楽のための曲(生前出版6曲)
・Op2(1827年完成)
モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」の主題
による変奏曲 変ロ長調
※この曲をロベルト・シューマンが絶賛し
「諸君、天才だ。帽子を脱ぎたまえ」
と言ったことは有名です。
・Op13(1828年完成)
ポーランド民謡による大幻想曲
・Op14(1828年完成)
演奏会用大ロンド「クラコヴィアク」 ヘ長調
・Op11(1830年完成)
音楽家フリードリヒ・カルクブレンナーに献呈
ピアノ協奏曲第1番 ホ短調
・Op21(1830年完成)
ショパンのミューズ
デルフィナ・ポトツカ伯爵夫人に献呈
ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調
・Op22(1834年完成)
教え子のフランス・サラ・デスト男爵夫人に献呈
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調
●その他の単独ピアノ曲(生前出版6曲)
・Op19(1833年完成)
ボレロ (調性は不明)
・Op43(1841年完成)
タランテラ 変イ長調
・Op46(1841年完成)
演奏会用アレグロ イ長調
教え子でこの曲の完成を依頼した
フリーデリケ・ミューラーに献呈
(元々の着想はピアノ協奏曲第3番として
作ろうとしていた曲)
・Op49(1841年完成)
幻想曲 ヘ短調
・Op57(1844年完成)
エリーズ・ガヴァール嬢に献呈
子守歌 変ニ長調
・Op60(1846年完成)
シュトックハウゼン男爵夫人に献呈
舟歌
・Op72-2(1827年完成)
葬送行進曲 ハ短調
・Op72-3(1826年完成)
3つのエコセーズ
第1番 ニ長調
第2番 ト長調
第3番 変ニ長調
・Op番号なし
コントルダンス 変ト長調(1827年完成)
カンタービレ 変ロ長調(1834年完成)
ラルゴ 変ホ長調(1837年完成)
オクターヴのカノン ヘ短調(1839年完成)
ワルツ「ソステヌート」 変ホ長調(1840年完成)
フーガ イ短調(1842年完成)
モデラート ホ長調(1843年完成)
ギャロップ 変イ長調(1846年完成)